![]() ![]() | BBE Telephone Technology For Telephones, Cellular Phones, Cordless Phones, Voice Mail Voice Recorder, Teleconference ![]() | |||
BBE T2 (Telephone Technology) は、周波数帯域が制限された電話音声に特有な不明瞭な音質を, 周波数に応じた高周波域のブーストと位相補正を行う事により、大幅に改善します。 近年のデジタル圧縮と多重化技術は通信の効率を飛躍的に向上させましたが、反面音質は低下してしまいました。新しいデジタル音声は昔のアナログ音声に劣る結果にもなっています。BBE T2とその関連技術(BBE T2M, T2C, T2R)は、MP (Minimized Polynomial Non-Linear Saturation 最少多項式非線形飽和) プロセス、コンプレッサ/AGC等のBBEの最新技術を使用して、劣下したデジタル電話音声を効果的に修復します。 |
BBE T2の目的
電話音声の明瞭度改善
BBE T2 プロセス
BBE T2は300Hz-4KHz間の限られた周波数帯域内で、周波数に応じた最適量のブーストと位相補償を行います。このブーストと位相補償は、その相乗効果により、脳の分析能力を助け、比較的少ないブースト量で効率良く自然な音声を得る事ができます。
またBBE T2のHIモードは老人や難聴者用に設定されたもので、簡単にモードを切替えて使用できます。
BBE T2はAGC (Automatic Gain Control) や MP (Minimized Polynomial Non-linear Saturation) プロセスを併用する事ができます。BBE T2にAGCを加えたものをBBE T2C、MPを加えたものをBBE T2M、そしてAGCとMPの両方を加えたものをBBE T2Rと呼びます。
コンプレッサ/リミッタ/AGC (BBE T2C, T2R)
BBE T2C, T2Rは新開発のBBEコンプレッサ/リミッタ/AGC技術を使用しています。このプロセスは、受話器の音量を入力信号のレベルにかかわらず、一定に保つ働きをします。
AGCについて
AGCには二つのタイプがあります。 普通使われているAGCはオートボリュームとも呼ばれているものです。比較的短いアタックと極端に長い(5秒以上のものもある)リリース時間を持ち、回路やソフトウェアは簡単ですが動作が単純且つ不自然で、はっきりとそれが聞き取れます。
もう一つはBBE T2CやT2Rに使われているコンプレッサベースのもので、アタック、リリース共に短く、動作は瞬間的に行われ、音に不自然さは全くありません。しかし必然的にそれを実現する回路やソフトウェアは複雑になります。BBEのコンプレッサ/AGCは独自に開発したユニークなアルゴリズムにより、ピークパフォーマンスを保ちながら、全体のプロセスを極限までシンプル化しています。
BBE T2C, T2RのAGCパフォーマンス
下の3枚の写真はBBE T2C, T2RのAGCがいかに上手く働くかを説明するものです。最初の写真は、5分間のスピーチを電話の周波数レンジ (300-4KHz) で録音した波形です。
次の写真は、AGCのテストに使う為に作ったサンプルです。これはオリジナルの録音に、10秒毎に0dB to -10dBの振幅変調を加えたもので、極端なフェージングやドロップアウトをシミュレートしています。
一番下の写真は、テストソースにBBE T2Rプロセスを加えたものです。BBE T2Rは弱い信号を増幅してボリュームを一定にするだけでなく、全体のスピーチの信号レベルを飽和させることなく最大限に持ち上げます。写真からも分かるように、最大レベルはAGCにより0dBラインのすぐ下(約 -1.5dB)に抑えてあります。オーバーロードや飽和は全く起こり得ません。
次の3枚の写真は前頁の写真に対応して、周波数スペクトルを示しています。X 軸は時間、Y軸は周波数です。最初の写真はオリジナルのスピーチです。スペクトルは信号の強さの順番に、黒、ダークブルー、紫、赤、オレンジ、黄色、白で表示されています。暗い色(ダークブルー、紫)は弱い信号を、明るい色(赤、オレンジ、黄色)は強い信号を表示しています。
次の写真は振幅変調されたテストソースです。周期的に信号が弱くなっているのが分かります(黒い縦縞)。
一番下の写真はテストソースにBBE T2Rをかけたものです。信号レベルが均一化され、黒い縦縞は消えています。平均レベルも増加しています。全体のスペクトルの色がオリジナルに比べて明るくなっていることから、平均の信号レベルが上がっている事が分かります。
次の一連の写真は「Original Reference」と書かれた1分間のスピーチをEFR、PSI、VSELPエンコードした波形と、それぞれにBBE T2Rプロセスを加えた波形を示しています。
BBE T2Rプロセスをかけると一様にレベルが上がり、しかもそのピークがクリップレベル以下に上手くおさえられているのが分かります。注目されるのは、いずれのエンコードを経た波形も、BBE T2Rプロセス後は「Original Reference」をBBE T2Rプロセスしたものに極めて似通っている事です。
BBE MPプロセス (BBE T2M, T2R)
BBE T2M, T2RはBBE MP (Minimized Polynomial Non-Linear Saturation 最少多項式非線形飽和) プロセスを使っています。BBE MPプロセスは、音声信号から高調波を作り出し元の信号に加えることにより、携帯電話や長距離電話に使われるデジタル圧縮の過程で損なわれた明瞭度と自然な音質を効果的に修復します。BBE MPはデジタル圧縮やパケタイジング、マルチプレキシングなどで発生する高調波のタイミング的な狂いも補正します。高調波は周波数に応じて時間的な進みが加えられます。BBE MPによる高調波の発生と時間補正のコンビネーションプロセスは脳の分析能力を助け、結果として音が聞きやすく分かりやすくなります。
下図は実際のBBE MPの動作をテストシグナルを使って示したものです。左側の写真はマルチ・モジュレーション・スイープ テスト信号です。それぞれのスイープ信号はウォブルトーンとも呼ばれます。横軸は時間 (0-10 Sec)、縦軸は周波数 (0-4 KHz) です。右側はこのテスト信号にBBE MPプロセスを加えたものです。複数の高調波が発生し、高い周波数までカバーしているのが分かります。
De-Esser
BBE T2は特殊なアルゴリズムにより「ぱぴぷぺぽ」や「さしすせそ」の様な飽和しやすい音を前もってキャッチし、短時間ゲインを下げることにより飽和を防ぐ「ダッキング」も行っています。この機能は「De-Essing」とも呼ばれます。
HI (Hearing Impaired) 難聴者モード
BBE T2のHIモードは、高調波域を極端に強調する事無く、難聴者に明瞭で聴きやすい音を提供します。これは適度なブーストと位相の補正により、耳と脳の感覚を助けることによって実現しました。
ノイズリダクション
BBE T2では、ノイズリダクションは敢て行っていません。BBEの特殊なブーストと位相補正の相乗効果で、音響心理学的に脳の音の分析能力を助け、ノイジーな状態でも信号とノイズがはっきり分離して聞こえます。
一般には、ノイズゲートのようなノイズリダクションが使われますが、無音の中から突然声が聞こえるような不自然な動きをし、一時通話が切れたと錯覚することもあります。技術的にも、信号とノイズを信号レベルだけから判断するのは極めて難しく、逆にバックグラウンド・ノイズが聞えた方が好ましい場合も多くあります。
ソルーション
デジタル (BBE T2, T2C, T2M, T2R)
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